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 ここで解説していることは筆者の主観や説明会で聞いた話です。参考程度に留めて、実際のところは入試説明会などで事実確認をしてください。

HPのリンク(引用先)

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カリキュラムの特徴

・必修科目:公共政策ワークショップⅠ(12単位)、公共政策ワークショップⅡA・B(計8単位)=卒論、政策調査と論文作成の基礎(2単位)

・公共政策ワークショップⅡA・B・・・担当の実務家教員・他の学生と十分な討論を行いながら、中央省庁の本省庁さらには諸外国の国際機関本部などに自ら足を運んで担当者と接触し、現場で自ら調査を行うことによって、調査技法及び実社会での交渉技術の一層の向上に努める*1

→説明会によると各自の好きなことを調査するから、ワークショップⅠの方がきついらしい、字数は確か3万字くらい

・修了要件:48単位以上(必修は22単位)*2

 以下、公共政策ワークショップⅠをWSとする。

必修科目:公共政策ワークショップⅠについて

・現場力をに付ける場

→毎年、4つのチームに学生が分かれて、1年間かけて1つの課題に取り組む。テーマによっては海外調査もあり。

 中央省庁から派遣された実務家教員と研究者教員が共同で、実務と理論の両面から指導を行うことも特徴*3

・先行研究の輪読といった基本的な調査もフィールドワークと同様に時間をかけて行う。

・学外の人にも報告会が開催されているため、受験生は面接で感想が聞かれることに備えて参加必須*4

→中間報告会:7月、最終報告会:12月

事例紹介

2022年:地域振興政策(農林水産・農村政策等)

プロジェクトA:故郷を元気にするオリジナルな地域振興政策の研究|東北大学 公共政策大学院

シラバス時点での調査計画

全体の流れ

・4月~6月:文献やヒアリング調査

・7月下旬:中間報告

・10月~11月:追加調査

・12月下旬:最終報告会

ヒアリング候補先など

・行政機関(東北農政局、山形県庁、宮城県登米市役所)

・生産者(東北管内の篤農家、JA、農業会議所等)

・学術機関(東北大学農学部宮城大学

・民間企業(建設会社、マスコミ、JETRO等)

・東北管内で農泊

実際の調査内容

・文献調査→自分の故郷の抱える課題や故郷の地域振興のアイデアのプレゼンテーションから活動

※他の班では、担当教員からの講義、参考図書の輪読等を実施

前期のヒアリング先など

・東北農政局

山形県

山形県で農泊

夏季休暇

・故郷の現状分析

・国の地方創生の政策の全体像を自主的に研究し、その概要を資料に取りまとめ

※他の班では自主ゼミを開催→時間外労働で忙しいに違いない

後期のヒアリング先など

・金融機関、輸出振興団体、建設会社、マスコミ、有識者など

・まち・ひと・しごと創造本部

宮城県

沖縄県で農泊

→学生たちの裁量で当初の計画を調整して、調査先を追加などをして選定

報告書の内容

上記の報告書のリンク

http://www.publicpolicy.law.tohoku.ac.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/2022_WSA.pdf

・チーム内の学生数:8名→途中から7名

・ページ数295→7名でこのページ数は多い、かなりの作業量が予想される

・各調査先に学生側が政策課題を発掘して政策提言→広域的なフィールドワーク活動

 似ているフィールドワークをしている北大公共政策は、基本的に1つの自治体からテーマが与えられて提言活動を行う(コンサルに近い)

→東北や北海道のどちらのスタイルが好みかはあなた次第、東北大は主に日本全体がターゲットで加えて自治体にも提言、北大は特定の自治体のために提言

 

学生が精力的、積極的な意欲がないと成し遂げられない研究活動

※筆者は斜め読みした程度だが、受験生は1本くらいは熟読してほしい

その他の科目

・主に農林水産政策系、環境政策系、防災、法学・政治学→法学寄りの科目多く、経済系は少数

※他にも省庁からの実務家教員によって科目内容に変容あり→受験生は最新年のシラバスを要チェック

シラバスのリンク(再掲)

シラバス|東北大学 公共政策大学院

・大学院独自の留学制度はなし→WSが忙しいため留学する余裕がないとのこと

試験概要

試験種類

・内部進学者特別選抜:7月~9月

・第1期募集(大卒学生向け):9月~10月

政策法務教育コース(社会人向け):10月~11月

・第2期募集:12月~1月

引用先*5

選考方法(第1期募集)*6

※他の試験種では小論文が無かったり、別の書類が追加されたりしています

・提出書類の審査

・小論文

口述試験

提出書類

・主なものは出願者身上書

記載項目は以下のとおり

  1. 志望理由
  2. 関心のある政策分野
  3. 課程修了後の進路希望
  4. 大学での履修状況
  5. 学生生活の状況
  6. 趣味・特技
  7. 自分の長所、自己PR
  8. 自由記述
小論文

・内政関係、経済関係、国際関係の政策課題の3分野から1つ選択(字数制限は無し)

口述試験

・身上書、小論文をもとに何に興味があるのかを50分くらい聞かれる

・2022年度は学生1人対教員2人

対策について

・身上書

  1. 書き方は就活のエントリーシートのような簡潔さが求められる
  2. 添削ができる人に見てもらうべき

・小論文

  1. 公務員試験用のテキストで構成を覚える
  2. 過去問*7を解いて、添削が出来る先生に見てもらう
  3. 関心のある政策分野について広く知識を付ける(読書、文献、Webから)
  4. 公務員や大学院の小論文の本や、公務員試験の黄色い本(注:『速攻の時事』)を見ておく(2024年度パンフレットより*8

※本人が何に興味があるのか問うてるとのこと

口述試験

  1. 就活などを通して人と話す要領に慣れる→会話することを意識
  2. 面接カードを作り、基本的な質問には練られた内容が話せるよう備える

※WSをする協調性を図られる

 人の話を聞く力や自分の考えをわかりやすく伝える力が求められる*9

過去の試験倍率

2018年入学~2021年入学までの第1期募集における合格倍率の推移

(参考資料) 2018年4月入学用(第1期募集)の入試関係情報|東北大学 公共政策大学院

(参考資料) 2019年4月入学用(第1期募集)の入試関係情報|東北大学 公共政策大学院

(参考資料) 2020年4月入学用(第1期募集)の入試関係情報|東北大学 公共政策大学院

(参考資料) 2021年4月入学用(第1期募集)の入試関係情報|東北大学 公共政策大学院

・直近の2022年以降は未公開

→合格者リストによると、

 2022年度:合格者29名、受験者数39人以上、倍率1.34倍以上*10

・2018年は1.06倍と高くないが、全体的に見ると1.5倍未満で推移してる?→倍率自体は他大学院よりは低い、東大、一橋公共経済の方が高い

出身地方別入学者の割合*11

開学時2004年度以降の集計(最後の集計年は不明)
引用先を基に筆者が再作成

・東北と関東が4割弱ずつを占める→東北民で絆が芽生えそう

・大学院側としては東北地方の学生のみならず、できるだけ日本全国から入学してほしいというのが願いとのこと

・海外が0%であるため、直近(2023年付近)は含まれていなそう

修了生の進路

2023年度(令和4年度)

2023年3月(令和4年度)修了生の進路|東北大学 公共政策大学院

・国家公務員総合職等9名

・地方公務員上級職等3名

シンクタンク2名

・金融・保険関係3名

・IT、サービス系企業4名

独立行政法人、教育関係2名

・大学院(博士課程)進学1名

・その他1名

パンフレットから学生のコメントを紹介(2024年度版)*12

・時代や市民のニーズに変化に対し、理論と実践の両面からアプローチできる魅力的な環境であると考え、入学しました。

・実務家の先生に指導していただけるワークショップに魅力を感じて、実務と理論の両方を勉強できるところや、他の県や海外から来た様々なバックグランドを持った人と一緒に学べるところが良いなと思いました。

地方創生について学び、現場に赴くことを大切にしているワークショップで住民の方々が求めているものを掴み、血の通った提言が出来ればと思いました。

・学部時代は行政法を専門にしており、判例解釈など最後に「立法的解釈が望ましい」と言われることが多く、その法律や政策を作る側になりたいと思い公共のほうを選びました。

現場の視点を持った政策立案を行政官としてやりたいと思い、勉強し直す必要があると感じてここに来ました。

・学部での机に向っての文献や事例研究に限界を感じ、公共が大切にしている「現場力」に魅力を感じて進学しました。

・学部時代に机上で数字だけ見ていても現場で何が起きているのかわからないことに限界を感じ、直接課題に向き合えるワークショップに惹かれて志望した次第です。

・首都圏以外の地方都市では、今どのような社会問題が生じているのか。自分の足を使い、目で見て、肌で感じたいという思いから、杜の都の門を叩きました。

地元に貢献できる公務員を志し、課題を的確にとらえ、最適な解に向かって実行できる力を養うため、本大学院への進学を決意しました。

・「被災地で最先端の防災を学びたい」との思いで東北公共に入学。

→ワークショップ、防災、法律、地方創生を動機にする方が多数

・在学中の私は常にワークショップの活動で頭がいっぱいでした。

まとめ

・防災や法学、地方創生に興味があってチームワーク力を身に付けたい人は志望先になる

WSについて

・現場目線を養うWSに全力をかけている大学院→アルバイトやサークルとかの課外活動できるのか?

日本中、一部海外にも調査しに行くため、地元志向よりは全国勤務で広域的に社会で活躍したい人が柄に合うのではないか

・色んな官庁・機関等に赴いて提言をするため、一橋大学コンサルティング・プロジェクトをチームで行うような印象

コンサルティング・プロジェクトとは*13・・・学生個人の研究テーマを定め、提言を受け入れる機関を探して、報告書の完成を目指す→提言先を自ら探すところが似ている

その他

・法学の科目が多いため、他学部専攻だけをしていると選びにくいかも

・卒論も負担は重いと言える