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文系大学院生による公務員と民間会社の両立就活をするときの注意点/二兎を追う者は一兎をも得ずにならないように

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 就活生の中には公務員と民間企業のどちらにしようかで迷っている方がいると思います。筆者はその内の1人でした。最後まで公務員試験を受験し、民間企業も興味ある会社には全てエントリーしました。そして、民間はすべて落ちてしまい、今は公務員就活中です。

 この経験から、両立していたことに後悔をしていますので、この記事では今後の就活生で同じような被害に合わないようにするために、公務員と民間を併願していたらどうなるのかを解説していきます。早速、結論ですが、この2つを併願することは止めておいた方がいいです。どちらかに集中した方が時間の確保がしやすく、効率よくスケジュールをこなせると思います。

目次

公務員と民間の違い

 まずは筆者視点による公務員と民間の違いを話していこうと思います。私見ですので、すべての業界に言い当てはまるわけではないことに留意してください。公務員と民間は仕事の仕方が違うということを伝えたいだけです。間違えていたら、ご指摘ください。

 筆者が志望していた省庁の話になりますが、公務員の仕事の特徴は住民や国民との接点が間接的だと思います。民間と似たような分野に関わっていても、公務員の場合は制度や補助金の構築をしている面があります。例えば、経済産業省では中小企業支援として、事業承継や人材確保に取り組んでいますが、役割としては事業者と民間企業の橋渡しをしています。事業者に手を差し伸べるのは民間企業です。公務員は外側にいるイメージです。

 民間企業の特徴は先ほどの話より、顧客(事業者)と直接関わります。金融機関でも事業者の事業承継に取り組んでおり、顧客の課題にコンサルティングのように直接向き合っています。現場に働きかけることが民間企業の役割だと筆者は思っています。

 このように、公務員と民間は中小企業支援をしていても、関わり方が全く違います。仕事の仕方が違うというのは、どこの業界でも当てはまるのではないかと考えているため、就活生自身は社会人で何をやりたいのかを自己分析で明らかにしておいてほしいです。筆者は中小企業支援が出来ればいいという考えが先行していたことで、両立の方向に向かってしまいました。そして、2年生の5月には自己分析を振り返った時に、筆者は顧客と直接かかわる仕事がしたいということに気付いたため、民間就活を諦めきれなかったです。

※筆者は営業の仕事に興味があったため、その業種に限った話かもしれないということにご注意ください。業種によっては、プログラマー経理などデスクワーク中心の仕事もあります。

 過去には自己分析におすすめな書籍を紹介していますので、自己分析の仕方が分からないことはご覧ください。

【就活生必見】『世界一やさしい「才能」の見つけ方』を簡潔に実践する方法 - SJの勉強コンサル

 余談になりますが、公務員は現時点において副業が基本的にはできないことも大きな相違点です。筆者のようにブログとYouTubeをしている方は、将来的には趣味でお金を稼ぎたいということから民間の方が魅力に感じるかもしれません。

両立が難しい理由

 ここからが、本題の併願をおすすめできない難しい理由を説明します。思いつく限りで6つあげています。

1.公務員の勉強に時間が取られる(1日中勉強することが基本)

 公務員受験生ならどれくらい勉強に時間が取られるかは分かると思います。基本的に午前も午後も試験勉強に打ち込むことになると思います。筆者の場合、民間就活のための企業研究などをする時間が夜しかないという事態に陥っていました。時間の余裕が無くなります

2.民間もES対策や企業研究、OB訪問や面接対策、セミナー参加など時間を使う

 民間就活は企業研究とOB訪問で時間を数時間使います。そのため、公務員試験の勉強をした後に民間就活となると、時間の確保が中途半端になります。1日の内に両者をまとめてやるのはかなりの気合と体力が必要であり、毎日をそれを続けることは精神的に苦しくなると思います。筆者は民間の対策をした日は公務員の勉強を少なくし、公務員の勉強がたくさんできた日は民間用の時間が寝る前だけとなっていました。

3.就活の軸がブレる、公務員と民間の仕事は似ているようで違う

 前述の違いの点で話した通りですが、公務員と民間の仕事内容が違うことで、自身の就活(人生の目標)の軸はどこに就職すれば叶えられるのかで迷います。ズルズルと中途半端な気持ちで公務員と民間対策をすることになるため、早めにどっちに絞るかを決断した方が良いです。

 民間就活していると、公務員受験は辞めようかなと浮気しそうになります。

4.試験科目で捨て科目を作り、民間の志望企業を絞るのは、中途半端でリスクが大きい

 筆者は1日にこなせる量に調整するために、公務員試験の科目数と民間企業のエントリー数を最低限に絞っていました。公務員は法律、経済、判断推理、数的推理だけ勉強し、民間は6社にエントリーしました。しかし、このように範囲を狭めると公務員では難しい問題を他の科目でカバーしにくくなり、民間は全滅する可能性が出てきます。どちらも滑る可能性が高くなります。このことからも、どちらかに一本集中して、科目数を増やしたり、エントリーする企業数を増やしたりする方がリスクヘッジになります。公務員志望が民間も併願したところで全落ちのリスクを高めるだけです

5.学校の授業が1コマ入るだけで、民間の企業研究や面接準備の時間が夜しかなくなる

 これは先ほどまでの話と似ていますが、就活が解禁された学年(4年かM2)の大学(院)生でもいくつかの授業を履修するかもしれません。筆者は卒業単位に足りていない数単位の授業を履修していました。1日に1コマくらい授業が入ると思いますが、私は試験勉強を午前中にしていたので、民間対策をする時間が無くなります。やはり、併願は止めておくべきです。

 学士4年生であれば、3年生までに単位を取り切れる場合があるため、そのような方は単位を1つも履修せずに、併願できるということは可能かもしれません。大学生なのに学業を全くしないのはどうかとは思いますが

6.学業も修士1年は研究、学士3年は単位取得で忙しい

 就活解禁前は研究活動で忙しかったです。筆者は授業時間外にも活動をする授業を履修していたため、民間のためのESの準備や企業研究は2月くらいまでまともにやっていませんでした。夏のインターンとかは適当に志望動機書いて、エントリーということをしていました。他にも授業を履修していたため、他のことをする時間が無いなと感じていました。さらに、アルバイトもしていました。

 学士も3年生であれば4年生になる前に単位を取り切ろうとフル単位を狙うのではないでしょうか。就活解禁前から公務員と民間を併願する余裕は無いです。

両立している人は少ない

 ここでは現職の公務員や民間の社員から聞いたこと、同級生の様子について紹介します。結論を言うと、公務員と民間を併願している人は少数でした

 まず、説明会などで聞いた公務員や社員によると、併願している人は少ないし、居たとしても両立に苦労していた様子だったらしい。公務員の方は練習で民間を受けていた程度ということ。民間の社員にも一人だけ併願していた方がいたが、いつまで試験勉強を続けるのだろうという心境だったということ。

 筆者の同級生でも併願している人はいませんでした。この時に、併願は厳しいということを理解すべきでした。

 ネットで調べると以下のサイトで、公務員志望の学生の8割が併願しているというデータがありますが、筆者が見聞きしてきたことを踏まえると、これだけで安易に併願しようと思わないでほしいです。8割というデータが筆者の体験とずれているため、もしかしたら、公務員が第1志望で民間は練習で受けるライト層が多いのではないかと思います。このデータは何かしらのバイアスがかかっているのではないかと感じるため、怪しいです。何かしらのトリックがありそう。

 ソースはこちら↓

公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説 | PORTキャリア

どうしても両立したいなら

 ここまで読んできても、人生一度きりだから後悔がないように両立したいという方がいるかもしれません。その人向けにどれくらいの数を出願したらいいのかの目安を筆者の感覚で示しておこうと思います。以下の通りです。

・民間は少なくとも8社はエントリーして最後まで面接を受ける

・公務員も4つくらいまで出願し、最後まで受験する

 このように考えた理由ですが、まず筆者は民間に6社エントリーして、4社しか最後まで受けていません。それで全滅したため、2倍の量は確保した方が良いだろうということで8社にしました。

 公務員では国総、専門職、国般、県庁、自治体にエントリーしましたが、志望度が低かった国総と県庁は辞退しました。専門職は1次で落ちてしまい、国般と自治体に賭けることになり心許無かったことから、もう一つくらいは最終合格待ちがほしいということで、不合格のリスクに備えて4つにしました。

 筆者なりに両立に成功するための最低限の量を考えてみましたが、これを全てやり切ろうとすると、「両立が難しい理由」でお話ししたような苦労を負うことになるでしょうから、この量をこなせたら努力の天才だと思います。

両立したことのメリット

 ここまでで、併願に反対する理由を述べてきましたが、両立したよかった3つのメリットがあります。まず1つ目は、公務員試験の数的推理、判断推理、資料解釈、文章理解の知識が民間のWEBテスト(SPI)でそのまま活きるということです。SPI対策は修士1年の夏で辞めましたが、3月からの本選考にエントリーした企業のWEBテストをすべて通過することが出来ました。

 2つ目は、面接の時期が民間の方が早いことで日程が被らないということです。日にちが被って片方を諦めることはほとんどありません。しかし、それでも試験勉強をしながら、民間の面接をすることは苦しかったですし、就職活動が長期化して燃え尽きそうになるため、やはり両立は止めた方が良いのではと思います。

 3つ目は、民間で面接の経験を積めることです。そのおかげで官庁訪問や2次試験の面接時には、自己PRやガクチカをアドリブで話せるようになりました。面接カードを作らずに官庁訪問での質問に答えることもできました。

 併願のメリットはこれだけです。これだけのために、民間のエントリー数や試験の捨て科目を作ることは危険ですので、併願の利点は無いものだと思った方が良いです。公務員志望者が民間企業を受ける場合は、練習だと割り切れる人だけが向いています。

筆者の就活結果

 ここでは筆者の就活内容について参考のために公開しようと思います。特に公務員試験は分からないことが多いと思うため、情報提供のために記しておこうと思います。

※結果が判明され次第以下の内容も更新します

・民間企業

 銀行に6社エントリー、2社途中辞退、4社落ち、その内の1社は最終まで進み「結果を楽しみにしていてください」と言われたがサイレントお祈り

・公務員

 国家総合職2次欠席、県庁1次欠席、財務1次不合格、国家一般最終合格、自治体結果待ち

・国般の2次試験について

 面接時間は15分程度、質問の掘り下げは2往復程度で官庁訪問より難しくないが、1次試験の得点で必要な評価(点数)が変わってくるから手は抜けない。

 さらに、噂では緩い面接と聞いていた割には、研究について深く聞かれたことが意外であり、他の面接官からも継続して質問された。おそらく、公共政策学を専攻しており、公務員の業務に近いことから興味を持たれたのかもしれない。

官庁訪問について

 名前からだとどのようなものかは分かりにくいですが、民間就活のように受験生と官庁側がマッチングするための面接です。2次試験の人事院面接よりは深く質問され、協調性などの人格面や志望度の高さといった熱意を測られます。

まとめ

 今回は公務員と民間の併願は危ないということを解説していきました。就職先は1つですので、満足のいく内定を1つ取るために公務員か民間のどちらにするかは早めに決断しておくべきです。時期としては民間のエントリーが解禁される3月前までだと思います。両立できるパターンは就活解禁の1年前に公務員試験(国家に限る)に受かっておく場合ではないかと思います

 あと、仕方ないですが、公務員を志望すると民間勢が早めに内定を取ることで、焦りや気まずさが出てくるのも苦しかったです。また、筆者は遠隔地に住んでいるため、公務員の官庁訪問などで交通費が高くなることも辞退する理由になっていました。もったいなさすぎるけど、交通の便が悪すぎるから仕方がないんだ。

 民間に全落ちしたことで、諦めがついて公務員へのモチベーションが上がったことも結果的に良かったのかなと思います。ただし、公務員で内定が取れればですが。

 筆者はブログとYouTubeをしていましたが、その分、他の趣味をする時間がなかったため、言い訳にはならないですね。もし、就職に失敗したら、ブログとYouTubeで生活していくことになるのかなとか思っています。

 余談で愚痴を言いますが、公務員でも人気官庁のところは陽気な人たちが巧みなコミュニケーションで内々定を取っていくので、そうじゃない人たちは不人気官庁に行くしかないのかと思いました。世の中って多様性が中途半端で生きにくい。

 ここまで読んでいただきありがとうございました。