あなたは公共政策大学院を知っていますでしょうか。筆者はその大学院に通っている学生で、よくバイト先や地元の人からどこの大学に通っているか聞かれることがあります。その時は必ず「公共政策大学院です」と言うのですが、知っている人とはまったく出会ったことはありません。公共政策は名が知られていないとよく感じますが、筆者はここで学業をやっていて普通に楽しめているので、無名なことが勿体ないということでこの記事では公共政策大学院を知ってもらうために、あるあるを書いていこうと思います。また、公共政策大学院を志望している受験生への情報提供になることが本望です。
※全国の専門職の公共政策大学院一般にあてはまりそうなものを選んでいます。
目次
- 公共政策という言葉が通じない
- 何を学んでいるのかを一言で説明しにくい
- 実務家教員が欠かせない
- 少人数の大学院
- 他大学出身の学生が多い
- 社会人などの年の離れた学生が多い
- 公務員志望が多い
- 現地調査の授業が必ずある(フィールドワーク)
- まとめ
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公共政策という言葉が通じない
まず超前提として、「公共政策」という言葉を知らない人が多いです。一般人だけでなく、他学部の学生にもほとんど通じません。知名度がないなと感じます。また、「製作」と勘違いして、理系だと思う人も一部いました。確かに理系分野もありますが、文系分野も併存しています。
この場で公共政策を簡単に説明しておきますが、コトバンクによると
「政府がその権力を背景にして行う政策であって,その内容が公共性をもつものをいう」
ということです。つまり、簡単に解釈すると、国や地方自治体の方針や目標みたいなものです。さらに、その中には事業や施策といった手段があるのですが、気になる人だけ調べてみてください。お見知りおきを。
何を学んでいるのかを一言で説明しにくい
2つ目は先ほどと似ていますが、何をやっているのかと聞かれた時の答え方に困ります。公共政策は経済、法律、環境などたくさんの分野があるため、普遍的に当てはまる内容を説明すると曖昧な表現になります。例えば、社会問題を解決する大学院と説明したことがありますが、おそらくうまく伝わっていない気がします。だからといって、筆者の興味分野を話したら、偏見が生まれそうなので言いにくいです。とりあえず、行政などを学んでいると思っておいてください。
実務家教員が欠かせない
3つ目は実務家教員が貴重ということです。公共政策大学院の特徴の一つに実務家教員があります。この教員たちは基本的に省庁出身の方が多いです。そのため、その業界についてかなり詳しく、就活でとても役立つアドバイスも簡単に聞くことができます。学生は就活している人がほとんであるため、大体の人が同じことを感じているはずです。
また、オフレコですが行政の裏事情やリアルな業務内容を授業で教わることができます。筆者は毎回とても興味深いなと感じながら、受講しています。さらに、ゲストスピーカーが講演する授業もたくさんあり、行政などについてたくさんの知見が得られます。
ネットでは実務家教員を批判する人がいますが、公共政策大学院の場合は逆でとても相性が良いのではないでしょうか。その分、博士持ちの研究者教員の影が薄く感じるところです。
少人数の大学院
4つ目は少人数の大学院ということです。全国の公共政策大学院共通で1学年大体30人程度になっているはずです。そして、2年制であるため、全体で70人くらいの規模の大学院ということになります(4年履修の社会人により、少し多くなる)。
つまり、人との距離が近くなりやすいため、人間関係を築きやすいです。正直言うと、仲がいい、気まずい関係が雰囲気としてあります。高校に近いものがあるのではないでしょうか。しかし、先生に顔を覚えてもらいやすいメリットがあります。
他大学出身の学生が多い
5つ目は他大学出身の学生が多いです。おそらくこれは、公共政策大学院が学部と独立していることで、内部進学を目指す人が少ないことによるものだと思います。
その分、内部生が幅を利かせるということは基本的にないはずなので、他大出身でも全く気になりません。ただ、法学部出身の人が多いという特徴はあります。筆者は他大学出身で、学部は経済です。法学部以外の人でも学業に付いていけないという事は大体大丈夫です。
社会人などの年の離れた学生が多い
6つ目は社会人学生が多いという事です。大体行政関係の人が自発的または出向という形で進学してきます。これについては様々な公共政策大学院のパンフレットなどで宣伝されていると思うので、志望者であればご存知かもしれません。前述の他大学出身の学生も含めて多様性を感じます。
筆者の同期は3分の1くらいが社会人で、その中には定年退職後の学び直しで来る人もいます。ここも筆者の正直な事を言うと、同い年とは違って敬語を使うことがほとんであるため、接するときに少し気まずさがあります。
公務員志望が多い
7つ目は公務員を就職に考える学生が多いということです。公共政策の名前の通り、行政などについて学ぶ大学院であるため、元から公官庁に興味のある学生がほとんどです。筆者の同期では国家公務員から地方公務員、幅広く志望している人がいる印象です。また、民間志望も一部はいます。大体有名企業が多いです。
ネット上では、就職予備校、公務員予備校という批判があるのはこういう実情からだと思います。筆者は決して予備校ではないと思ってます。普通に学業や研究があるため、両立しないと就活もうまくいきません。
現地調査の授業が必ずある(フィールドワーク)
8つ目は現地調査をする授業があるということです。これは公共政策大学院で1番の魅力だと筆者は考えています。政策立案は足で稼ぐことが欠かせません。その授業の中にはグループで活動し、政策提言を目指すものもあります。これを聞くと、インドアな方はだるいなと感じるかもしれません。そのため、公共政策大学院を志望するときはこの特徴を必ずと言っていいほど重視・確認してほしいです。シラバスやカリキュラムを見ておきましょう。
筆者は学部時代の時は外で活動することが嫌でしたが、実際に履修してみると楽しく、遠足気分になれます。また、仲間と協力することが面白いなと感じてます。
まとめ
今回は在学生の筆者による公共政策大学院のあるあるや特徴をまとめました。振り返ると以下の通りです。
- 公共政策という言葉が通じない
- 何を学んでいるのかを一言で説明しにくい
- 実務家教員が欠かせない
- 少人数の大学院
- 他大学出身の学生が多い
- 社会人などの年の離れた学生が多い
- 公務員志望が多い
- 現地調査の授業が必ずある(フィールドワーク)
- まとめ
研究科のような大学院とは違った面があることがお分かりになったと思います。これで初めて知った人、受験を志望したい人、院試対策のモチベーションが上昇した人がいてほしいです。ここまで読んでいただきありがとうございました。