筆者は2022年の7月24日の受験で数学検定の2級に合格しました。勉強期間はマイペースに対策して4ヶ月程度ですが、最初の勉強法の情報収集で予想外にネットから集めにくく、不安になったことがあります。そのため、この記事でその代わりになれるよう、筆者の合格までの勉強の仕方を丁寧に解説していきます。
先に概要を言うと2級は高校数学の標準レベルで、選択問題かつ時間も余りやすいため、真面目に対策すれば簡単に合格できる資格です。
目次
動画版もあります
勉強用のノートは3冊ですが、100枚ノート1冊分、30枚ノートは2/3枚分と1/3未満枚分の2冊となっています。
勉強前の筆者のスペック
勉強法解説の前に筆者の数学に対するレベルを教えます。以下の通りです。
- センター数学ⅡBは3割
- 学部で経済数学を習った
数学に関するエピソードはこのくらいです。センターの点数から分かるようにⅡBには苦手意識がありましたが、数学自体は好きだという意識があったため、成功例を作りたいということで数検2級の受験を決めました。また、センターのⅠAは人並みレベルでした。
勉強期間は4ヶ月(1日2時間)
勉強期間は3月の中旬から始めて、7月24日までであるため、約4ヶ月になります。さらに、始めた当時から、そこまで長時間やらなくても良いだろうと思っていたため、1日2時間に抑えるようにしていました。受験の手応えからこの勉強時間を見ると、少なくなく、丁度良いくらいだと思います。時間があるなら、急いでたくさん勉強しなくても間に合います。
また、言い訳になりますが、もっと早めに受験しようと提携会場受験も狙っていましたが、都合が合わず、見送り、4ヶ月の勉強期間となりました。
試験概要
簡単にまとめると以下の通りです。検定料は個人受験で6500円です*1。
- 1次検定
検定時間:50分
出題数:15問
合格基準:70%程度(11問正解を目指す)
- 2次検定
検定時間:90分
出題数:2題必須、5題から3題選択の計5問
合格基準:60%程度(3問正解を目指す)
引用先↓
使用した参考書
使用した参考書は以下の3冊です。また、約4か月の間にこれらを使用した順番や期間を図で示すと、以下のようになります。
参考書の説明に入る前の勉強法の共通点として、数学は手を動かした方が覚えやすいです。つまり、全く解けない問題は解説を写しても良いので、それで計算過程を把握した方がより早く覚えられるということです。
ステップアップ問題集
こちらは最初の1冊目に選び、1ヵ月使いました。なぜなら、当時の筆者は数ⅡBに苦手意識があり、学び直しに良さそうな参考書を探していたからです。
実際に解いてみると、変に難し過ぎず、ブランクがあっても解きやすかったです。強くおすすめしたいです。数ⅠAの練習もできるので、網羅的な参考書だと言えます。また、過去問と似た難易度(本番レベル)の問題がたくさん載っていることもイチオシな理由です。
ただ、解説で一部省いている箇所があったため、完全な初学者だと少しつまずくかもしれません。
黄色チャート
2冊目は黄チャートを選びました。理由はネットの記事でよくおすすめな参考書として紹介されていて興味があったからです。しかし、筆者からすると、そこまで優先すべき参考書ではないと思いました。
その理由は、
- 問題量が多すぎる
- 公式の導出が載っていないときもあり、暗記になりがち
- 重要例題が過去問より難しい
からです。そのため、筆者は基本例題の難易度が2か3の問題だけを繰り返し解くことで、過去問の難易度に合わせながら、問題量の多さを解決していました。つまり、数検2級の対策であれば、これより難しい問題は解く必要はないということです。また、公式が暗記になることは仕方なく、避けられませんでした。ですが、2級は難しくないため、対策の支障にはあまり影響がなかったです。
このように筆者は色々工夫して、黄色チャートを使いましたが、結局面倒だったため、効率よく対策するなら数検用の参考書を使った方が良いでしょう。例えば、立ち読みをしただけですが、「記述式演習帳」などが使いやすそうに感じました。時間に余裕がある方だけ、チャートに向いていると思います。
過去問
最後に使用した参考書は過去問です。ですが、1周にかけた日数は8日間と短期間であるため、黄色チャートも併用していました。当たり前ですが、復習がとても大事です。
次に使い方ですが、この参考書は1次試験と2次試験の1組で4回分載っているため、筆者は各回の1次と2次を1日ごとに分けて2日で1回分を解くようしていました。
難易度について、1周した時に1次は簡単で、2次がボーダーギリギリと少し難しいように感じました。そのため、2周目は2次だけを解いていました。ただ、2次の難易度はめちゃくちゃ難しいわけでもないため、堅実に勉強すれば必ず克服できます。数学に慣れている人なら簡単と感じるかもしれません。皆さんは最初から記述を意識した解き方で勉強をしておくと直前期に楽ができると思います。1次は2次対策で補えます。さらに、どの回でも時間は半分近く余りました。また、本番の試験は過去問と同じレベルの問題だったため、発行年は2017年と古いですが、しっかり傾向を捉えている良い過去問だと思います。おそらく、数検はあまり難易度の改訂を行っていないのだと思われます。
勉強の注意点
数検対策をするにあたって、注意したいことについて説明します。それは以下の通りです。
- ケアレスミスに気を付ける(解いたら必ず見直す)
- 数学ⅠAの復習もやる
- 黄色チャートを選ぶ前に数検用の参考書を検討する
まず、1つ目のケアレスミスを防ぐことですが、これは数学においては当たり前だと思います。しかし、筆者の場合はいつもこれによって失点して合格のボーダーを切ることがあったので、解いた後の見直しは絶対に手を抜かない方が良いと思います。注意点の中で一番大事でしょう。
2つ目は数学ⅠAの勉強もするということです。数検2級は数学ⅡBの問題がほとんどですが、一部ⅠAの問題も含まれています。そのため、安全に点数を獲得するなら、ⅠAの対策も過去問や数検2級用の参考書を通してでも良いので、定期的に触れておくようにした方が良いです。一方、筆者はⅡBの対策に集中し過ぎたため、試験本番2次の必須問題でⅠAの問題が出た時に凡ミスをかましました(笑)。この経験も踏まえて、IAの復習を推奨します。
3つ目は先ほどと被りますが、黄色チャートより数検用の参考書を使うことです。筆者の経験になりますが、問題量の多さと無駄に難しい問題も解いたせいで、必要性を感じることができなく、やる気をなくしたことがあります。つまり、かなり計画的に使わないと遠回りな対策となるため、黄色チャートはなるべく使ってほしくないです。繰り返しになりますが、数検用の参考書を使用することをお勧めします。そこで、数検協会認定の書籍が紹介された公式サイトのリンクを下に貼っておきます。
受験後の手応え
ここでは筆者が実際に受験した時の感想について述べます。既に説明したことと、被っている部分があります。
まず、過去問通りの問題がほとんどでした。これは既に触れたため、詳細は省きます。
2つ目は、1次は全部解けた自信があるくらい解きやすい問題ばかりだったということです。過去問でも感じていましたが、2級は1次がかなり簡単です。
3つ目は、2次の必須問題で数ⅠAの難しい問題があったということです。後日の解答に軽く目を通しても、よく分からなかったです。1問くらい悪問が紛れ込んでいるのでしょう。また、前述した凡ミスの問題も同じところです。方べきの定理の計算方法を間違えていました。
4つ目は電卓が役立ったという事です。数学検定では2次試験で電卓が任意で持ち込めますが、このおかげで筆者は複雑な計算や検算を簡単にこなすことができ、時間短縮できました。効率よく問題を解きたい方は必ず電卓を普段から使って、要領よく計算することに慣れた方が良いです。以下に筆者が使用した電卓の購入用リンクを一応張っておきます。
カシオ 抗菌電卓 ミニジャストタイプ 10桁 MW-102CL-N
追記2022年9月26日:合格証が届いた
9月下旬にやっと合格証明書が届き、しっかり合格したことを確認できました。点数は平均より高いので、良いでしょう!内訳ですが、2次は予想通り問題6を完全に間違えていて、1次は逆に複素数の問題を1問間違えるという予想外な結果でした。この結果に満足せず、次の勉強にも精進します。
まとめ 決して難しくない
今回は数検2級に合格した勉強法を解説しました。言いたいことをまとめると、
- 絶対に難しい試験ではない(合格率は毎回3割程度)
- 黄色チャートは優先しない、数検用の参考書を使うべき
- 電卓を使う
という事になります。とにかく、基本的な問題が多いため、数学が得意なら少しでも勉強すれば、受かるように感じました。ですが、この記事を読んで少しでもあなたの勉強の力になれたら本望です。
また、数検2級が数学ⅡBのどこまでのレベルまで通用するかの参考になると良いのですが、筆者が試験前日に2022年共通テストの数学ⅡBを解いたところ31点しか取れませんでした(平均点43.06)。このことから、数検はかなり初歩的な試験ということが言えると思います。大学受験よりは難しくないので、気を落とさずに数検対策に励んでください。共通テストを解いた当時の動画も載せておきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
*1:2023年4月以降の規定